嫁見にしても、牛見にしましても、仲人の手びきで婿が内諾ずみのうえ、嫁方に面接にいく方法で、承諾のしるしには"扇子忘れ"といって、わざと扇子などの持ち物を、おいてきたりすることも行なわれていたものです。
このようなかなり男性側の一方的な性質の見合いに対して、その後、都会からはじまったのが、双方が打ち合わせて会同し、相識の機会をつくり、諾否をきめようという新しいタイプのものです。
劇揚や音楽会を利用したり、行楽を共にしたり、食事をいっしょにするなど、相互によく知り合うことを第一にし、双方に意のある場合には交際をかさねて、恋愛結婚に準ずるまでの効果をあげようというものです。
まことに合理的のようですが、一方には乱用の弊もみられないこともなく、見合いやつれということばさえあって、幾度も見合いをして、溌剌さを失なうこともあるようです。
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