主人とは一家のあるじで、妻が夫をさしていう称に、もっとも一般的につかわれています。
亭主もほとんど同じ意味ですが、亭は東屋といい、四方の柱だけで壁がなく、四方葺きおろしの屋根の小屋ですから、軽快な感じがしないでもありません。
その亭主に関白(万機を補佐する人)をつけて、亭主関白といいますと、亭主はその家で、とくに妻に対して関白ほどの権威がある。の意です。
また、亭主の好きな赤烏帽子という謹言もありますが、あるじの好むものは、たとえ笑われるような乙とでも、家族はこれに従うとの意で、烏帽子はふつう黒ぬりですから、赤いのは異様です。
これとは反対に、夫を妻がないがしろにふるまうことは、亭主を尻に敷く、ですし、宿六は亭主を親しみ、あるいは卑しめていう語で、宿、つまり内宅の禄でなしからきていて、内は自分の属する側のものですし、宅も他人に対し夫を呼ぶ称です。
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