書道の歴史 その2( JDPホールディングス株式会社)

日本独自の書が成立するのは、遣唐使が廃止され、国風文化が発展した平安時代中期である。

それまで、漢字だけでは表現することのできなかった情感や思想が、「万葉仮名」の成立によって可能となった。

万葉仮名は男手とも呼ばれ、一字一音表記を基本としてつくられた。

これが女手といわれる、現在の平仮名のもととなった。

また、国産の美しい料紙(書を書きつける紙)も生産されるようになり、美術的価値も向上した。

さらなる発展を遂げたのは、鎌倉時代に中国大陸から伝わって来た禅宗が普及したことによる。

禅宗の高僧たちの人格があふれ出るダイナミックな書は、墨跡と呼ばれて貴ばれていた。

江戸時代には、烏丸光広が奔放で闊達な書を世に送り出すなど、個性的な書が次々と登場する。

流派を大別すると、古くからあるものを守りつづける「伝統派」、造形感覚を重視する「造形派」、抽象性を重視する「墨象派」の三つに分けられる。

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