WTOについていえば、東欧諸国にとって、「それぞれの国の安定と安全が保障されるなかで」(ゴルバチョフ議長)、この軍事同盟からの脱却はもはや既定路線となりつつある。
すでに、後戻りできない自由化、民主化への道を歩み始めている、ポーランド、ハンガリー、東ドイツ、チェコスロバキアなど、WTOの中核的存在といわれる諸国は、ソ連の屈辱感を和らげるため、しばらくはWTOの加盟国としてとどまるだろう。
だがそれは、ほとんど名目的なものに過ぎない。
ソ連とこれら各国との間ではすでに、駐留ソ連軍引揚げの話が進んでいる。
そうなればNATOは、この「破裂した風船」との交渉に臨まなければならない。
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