上司と一緒の昼食をとることはめったになく、もしあればそれはフォーマルなものです。
上司は、職場の中でも外でも、部下とつきあうことはありません。
役員室でサンドイッチを食べたり、一緒にビールを飲みにいったりゴルフをしたりすることは、非常にまれです。
幹部社員が普通つきあうのは、よその会社の自分と同じランクの人々です。
フランスでは伝統的に、二時間の昼休みをとり、その間に家に帰って家族と一緒に食事をとるという習慣がありましたが、これは今では存続があやうくなってきています。
大都市や産業の発展、またビジネス団地などの出現によって、人々の通勤スタイルに変化が生じてきたからです。
しかし家に帰ることが無理でも、いまだに昼食は「プライベートな時間」とみなされていますし、料理はその最も重要な部分です。
オフィスの机でサンドイッチを食べることや、ちよつと角をまわったところで急いでハンバーガーをほおばることもだんだん増えてはきましたが、本来フランス人にとっての昼食というものは、一人で、または友人と一緒にゆっくりとくつろぐためのものです。
ワーキング・ランチや、よりファッショナブルなワーキング・ブレックファストも最近では増えてきました。
しかしそれらはあくまで新しいやり方です。
アングロ・サクソンの国々と違いフランスでは、そういった新しい慣習は、個人の生活への侵入者として考えられています。
この考え方はまた、家庭でのもてなしについても同様です。
同僚と食事をすることに慣れている外国人は、その機会に恵まれないからといって、軽んじられたと気にすることはありません。
例外的に同僚同士で食事ができるのは、職員食堂をもてるほどの大企業の場合だけです。
先進的な企業では、役職にかかわらず全社員を対象とした食堂があることがあります。
そこは、経営の最上層部を別として、誰でも利用します。
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